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地方出身首都圏在住ICTエンジニアとのディスカッションを開催しました。2022.12.20

2022年12月17日土曜日、首都圏で働く地方出身ICTエンジニアの方5名をお招きして、ひなターンみやざき事務局関係者及び、主催の宮崎県商工観光労働部企業振興課の担当者との、質疑形式のオンラインディスカッションを実施しました。

 

宮崎県では、首都圏のICTエンジニアなどを対象としたUIJターンに向けた様々な取組を実施しております。情報発信に加え、「どうすれば宮崎県が移住先の候補となり得るか」などの意見を聴く場として、ざっくばらんに意見交換することが出来ました。

 

参加していただいたICTエンジニアの方々は、多様な経験を持った参加者でした。
高校・大学を卒業後上京しIT業界で働いている若手・中堅エンジニア、未経験からIT業界へ転職して1年弱の方、事業部の責任者としてプロジェクト管理を主に行っているプロジェクトマネージャーの方などに集まっていただきました。

 
 

開催情報

ディスカッション詳細1

まず、宮崎県のイメージについて聞いてみました。

 

【宮崎に住んだことがない方】
・生まれ育った鳥取県と同じように車社会でありそう。地方出身者からすると宮崎には親近感がある。
・現在住んでいる茨城県からすると地理的に遠い。ライフスタイルという意味では茨城でも車がないと生活できない。旅行で宿泊したことがあるが、温暖で住みやすい場所だというイメージ。 
・宮崎といえばマンゴー。宮崎はどれくらい田舎なのか、地元山形と同じくらいなのかイメージしづらい。東京からだと移動に半日くらいかかるのでは。

 

【宮崎に住んだことがある方】
・宮崎は東京の地方都市に近い。首都圏から通勤1時間半程度の地域のイメージ。
・宮崎で育ち、10月にも帰省した。ここ10年ほどで交通インフラはかなり整備された。
・宮崎の通勤時間は平均で20分程度とかなり短い。空港から街が近いことも特徴である。

 

宮崎県に住んだことがない方からすると、自然豊か、温暖で南国的である、というような宮崎県の広報イメージに近いものが意見に上がりました。また、実際よりもアクセスしづらいと思っていたという声もあり、東京から飛行機であれば1時間半で来られる場所であるという点はアピールすべきという意見がありました。
 

ディスカッション詳細2

次に、参加者が宮崎へ移住を考えるとしたら何がポイントとなるかをお聞きしました。

 

・宮崎でも東京とあまり違いのない生活が送れるとしたら、移住者にとってアピールポイントとなる。
・東京から地方に行く場合、仕事があるのか、生活できるのかなどの不安がある。それが解消できればよいと思う。
・将来起業することを目標に、今は東京でスキルアップを重視して働いているが、宮崎ではそのような経験が積める仕事が少ないイメージがある。
・今はコロナによってフルリモートもしくはほぼテレワークの状態になっているが、アフターコロナがどのような形になるか、この状態が継続するのかによっても変わると思う。
・IT業界では特徴として、キャリアアップを目指すため1つの会社に留まりたい人が少ない。宮崎に住むという優位性をアピールする必要がある。
・宮崎で仕事を経験できる場を用意しても、東京と変わらないのであれば決め手とはならないと思う。今エンジニアに求められていることは課題発見・課題解決である。それが1人でできるようになることは魅力的。成長したいエンジニアに、宮崎特有の課題を発掘・解決できる場を提供できればエンジニアにとって魅力的だと思う。
・フルリモートで充実した仕事があれば宮崎で働いてもよい。しかし実際は現在東京でフルリモート勤務している。何故かというとエンジニアが集まっての勉強会などの機会が東京にある。宮崎でそれが行われているという情報は伝わってこない。そういった機会があれば宮崎の魅力が高まる。
・家族がいるので単身での移住は難しい。家族で移住できるような補助制度があればよい。
・採用担当の立場からして、能力さえあれば宮崎在住の人材を雇用することはできる。顧客との打ち合わせも対面でないといけないわけではなくなってきた。ただ首都圏に仕事が多く、優秀な人材が集まっているという部分はまだ変わっていない。個人の意識がこれからどう変わってくるか。

 

今年2月に行ったオンラインディスカッションでも見られた意見ですが、今(首都圏)とそう変わらない生活ができるか?ということが、懸念事項のひとつとして一貫していることがわかりました。宮崎県でも生活インフラは実際に整っており、仕事があるか、という問いに対しても募集という受け皿はあるのですが、賃金の格差という点では依然として大きなものがあります。
また、スキルアップを目標として働いている方に対して宮崎が魅力的な場所だと考えられていない、という点は、上記と並んで重要と言える事項だと感じました。
 

最後に…

ひなターン事務局としては、これまで行ってきた広報に加え、宮崎県を心理的・距離的により近くに感じられるような情報発信をしていく必要があると考えさせられました。

また、ひなターン事業の今後の取り組みとして、ひなターン登録者(エンジニア)と宮崎県地場事業者とのマッチングにより、エンジニアの成長機会・事業者の課題解決というWin-Winの事例を生み出すことができれば、この事業の新たな意義となる可能性を感じました。

 

参加いただいた県の担当者からも、「皆様のご意見は大変参考になりました。宮崎と首都圏の格差も改めて実感することができました。宮崎のIT業界に対して、ご意見を参考に、今後も有効な施策を考案してゆきたいです。」と感想をいただきました。

 

参加していただいた方々、ご協力ありがとうございました。