「ひなた 照らす ICTプロジェクト vol.3 トーク&交流会」を開催しました!2023.02.14
2023年2月11日土曜日、総勢45名の参加者でハイブリッド交流イベント「ひなた 照らす ICTプロジェクト vol.3 トーク&交流会」を東京品川で開催しました。
「知りたい つながりたい 面白くなっているIT宮崎の今」をテーマに、宮崎にゆかりのあるゲストが集結しトーク&ディスカッションが行われました。
「ひなターンみやざき」事業2年目の最後のイベントとして、昨年10月に東京飯田橋で行われた「vol.2」に引き続き、首都圏在住ICTエンジニアに向けての情報発信を、リアル・オンラインの形で共有できる場となりました。4名のゲストスピーカーにご登壇いただき、データから読み解く東京と宮崎の違い、宮崎市移住センター運営のご経験、宮崎に移住されたエンジニアの生の声、宮崎への立地企業経営者など、それぞれの視点からご意見をいただきました。
イベント後には参加者・関係者による懇親会も開催され、実際に宮崎移住を予定されている方にもご参加いただき、交流を深めることができました。
今回も質問を拾いきれないほど、充実の内容の交流会となりました。
皆様のご参加、ご協力、誠にありがとうございました!
開催情報
交流会詳細 | ●株式会社ことろど、九州地域間連携推進機構株式会社 田鹿倫基氏 【講話】 ・宮崎県では所得も低いが物価も安いってほんと? →所得は東京の半分だが物価は10%しか違わない。 →宮崎の物価は全てが安いわけではなく、家賃土地代・教育費は安いが交通費や水道費は高い。 ・1人当たりの所得が低い理由 →宮崎では18歳から75歳の労働参加率が高い。 →会社員が少なく個人事業主が多い。 →兼業農家は損益通算していることも。 ・都道府県別GDP成長推移、県民1人当たりGDP成長推移では福岡・東京よりも宮崎県の伸び幅が大きい(2010年→2018年) ・地方と言っても宮崎の中でも都市部、山間部ではグラデーションがあるので、細分化して考える事が大事。 ・移住は人生を豊かにする手段の1つ。何を手に入れたいのか、何から逃れたいのかを明確にするとよい。
●カテナ株式会社 宮田理恵氏 【講話】 ・宮崎市移住センターの運営を行っている。 ・宮崎にいながらも色々なことができる世の中になった。 ・コロナ禍により様々な物事がオンライン化しやりやすくなった。 ・宮崎移住者の例 ①沖縄からUターン →リモートワークを行い、コワーキングスペースのジムを利用したりしている。LCCを活用でき海外へのアクセスもよい。 ②東京からIターン →企業経営者 東京ではイベントに参加していたが、宮崎では場を創る側に回った。 ・宮崎大学の人材、半分ほどは宮崎県外へ流出している。 ・立地企業と協力し、DX推進人材育成のためのインターンシップなど計画中である。
●合同会社ノマドリ 大塚真言氏 【講話】 ・東京で生まれ育ち、地域密着型クラウドファンディングFAAVOの宮崎オフィス立ち上げをきっかけに宮崎移住、その後起業した。 ・移住直後から宮崎のITエンジニアと交流できる勉強会を開催 →会を通じて地域課題を発見し、自分がやりたいことが見えてきた。 ・宮崎のIT企業について、未経験ではエンジニア職でなく、運用保守やCSを担当することが多い。 ・エンジニア職でも市場価値の低い技術(レガシー)で開発することが多い。 ・ノマドリではモダンな技術で開発を行い、エンジニアが成長できる仕組みを取り入れている。 ・移住者と地元民の意識の乖離 →移住者:地元民から勝手に声がかかると思いがちである。 →地元民:移住者が進んで面白いことをしてくれると思いがちである。 ・移住者が自ら地域に入り込んでいくことが必要。 ・宮崎にも優秀なエンジニアはいるが、フリーランスが多いイメージ。
●アディッシュプラス株式会社 石川琢磨氏 【講話】 ・2021年に宮崎県日南市に企業立地、沖縄県那覇市/日南市/茨城県鹿島市(鹿島アントラーズ)に拠点を構える。 ・ミッション:カスタマーサクセス(顧客の成功を最大化し、顧客の成功とは何かを深め続ける取り組み) ・親会社のアディッシュ㈱は主に人口100万人以上の都市に拠点を設けているが、アディッシュプラス㈱では5~10万人規模の都市へ進出を計画した。 ・日南市ではない土地へ立地が決まりかけていたが、日南市担当者のスピード感・熱意、また商店街のふとん屋さんをリノベーションして事務所とすることに面白みを見出し日南市への立地を決断した。 ・採用については、業務に関心を持っているかというモチベーションを重視している。 →多くの採用が実現した要因として、日南市にSNS等を扱う企業が少ないことがプラスに作用した。 ・最終的には、どこへ行くかよりも、その場所にどんな人がいるかが重要である。
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ディスカッション | ●田鹿氏 ・ハイクラス人材が集まる場所と言えば、ひとつにアメリカである。 ・あらゆる分野の人材が集まる要因としては、やはりお金が集まっていること。 ・来てほしい人材には、野心で集まってもらえるような相応の待遇を用意すべき。
●大塚氏 ・田鹿さんの意見と同じ。しっかりした待遇を用意できる企業が増えればおのずと人材は集まる。 ・ノマドリでも東京の会社レベルの技術を求めているが、一定のレベルであれば逆にどこでも働けてしまうという弊害もある。
●宮田氏 ・宮崎東京間で、単純に比較すると収入が半減する事例も多い。 ・宮崎での事例として、よい待遇を用意したところ人材が集まった例もあった。 ・東京のものを取り合うのではなく、海外からも仕事を持ってくる動きができるとよい。
●石川氏 ・自社の給与について、日南市の相場に合わせたところはある。 ・日南市にSNSを扱う仕事が他に少ないなど、競合しないかつ魅力を感じてもらえれば人材が集まることもある。
●株式会社NOWVILLAGE 今村氏 ・宮崎と首都圏とのつながりを深めたいが、近隣では福岡や熊本なども同様の取り組みを行っており、大分・鹿児島も研究を深めている。
●田鹿氏 ・なぜアメリカで2000万、3000万円の給与を出せるのか。 →新しい事業が興る期待が集まるから。 ・世界中から投資を集められるような規制緩和など、行政からの仕掛けもあるとよいのでは。
●石川氏 ・宮崎の関係人口を増やす取り組みとして、まず宮崎に来てもらってはいいのでは。
●宮田氏 ・タイミングによっては行政のお試し移住制度も活用できる。 ・今はITスキルがないがチャレンジしてみたい人など、しゃべり場を設けてはどうか。
●参加者A ・東京のIT企業で働いており、大阪・大連でニアショア・オフショア開発している。 ・宮崎に拠点をつくることも考えたい。ひなターン事業を通じてビジネスパートナーを増やせたら良い。
●参加者B ・日南市出身で昨年3月から上京した。月に1回宮崎人飲み会を開催している。 ・10~20人くらいで宮崎に行く計画を立てている。 ・東京で働きながら、宮崎に何かできないか考えているところである。
●田鹿氏 ・現在宮崎ではプロスポーツキャンプが盛んだが、ファンは宿泊や飲食には興味が少なく、あまりお金が落ちない問題がある。 ・ある時期には宿泊で金銭を得ることを緩和するなど、規制緩和とも絡めて考えたらどうか。
●宮田氏 ・旅行キャンプのみならず、ITキャンプなど行われるとよいですね!
●株式会社NOWVILLAGE 今村氏 ・ひなターンがスキルアップの場ともなれば、新しい展開につながる。
●株式会社宮崎県ソフトウェアセンター 長友氏 ・かつてはレガシーな仕事を宮崎に持ってくる企業が多かった。それでは単価が上がらない。 ・宮崎でできる仕事の基準を引き上げ、収入を上げていく必要がある。 ・皆さんに協力いただき、当事者になっていただきたい。 |